フューエルフィルター交換&システム洗浄

何だかとても燃費が悪い!
最近では7Km/Lを切り,6.9や6.5なんて数字まで出てきました。
通勤距離が5kmで5分で到着するため水温が上がらず条件が厳しいのはわかるのですが,理屈抜きで悪すぎます。
その他エンジン構造的にも燃費が悪い理由は沢山あります。例えば・・・
・2バルブSOHCのため,充填,掃気効率が悪く,非効率的
・ビックボアのため,火炎伝播が悪く高回転高効率化が出来ない。
・2バルブのため,プラグが燃焼室中心になく燃焼室内の火炎伝播が遅れるエリアがあり不燃ガス量が多い。
インジェクターが6気筒同時噴射のため,燃料の気化効率が悪く燃焼も悪い。
・エンジンルーム内の温度が低く,熱損失が大きい。
・ウエットライナー採用のためシリンダーが冷却され過ぎて熱損失が大きい。
・ATにロックアップが無い。
・時速65km以上出ないと4速にならない。
などなど,設計の問題が多数見受けられます。
シリンダーより下の設計は,高回転高出力を目的としたものであるのに対し,ヘッドがビックボアに絶対合わない低回転用のため,効率は悪いです。
更にセッティングで高級車用フラットトルクにするのは無理があります。
とはいえコンスタントに8kmぐらい走ってくれてもいいんじゃないかと思います。

で、どこか悪いんじゃないかと,点火波形を見てみました。
するとびっくり!空燃費状態もばらばら,燃料噴射状態,バルブ動作も異常な状態のサイテーな波形が出てしまいました。
このエンジン構造では,燃料噴射状態の悪化はただでさえ悪い燃焼効率を極めて悪くしてしまうため早急な処置が必要です。
そこで,燃料系洗浄大作戦開始です。

ボディー下側のフューエルポンプ及びフィルターのついているステーを取り外します。
次にフューエルフィルターから車体側に行っているホースを気合で外します。
このときあらかじめ一度タンクキャップを空けて中の圧力を抜いておかないと,いつまでも勢い良く燃料が漏れつづけます。

約$13のフューエルフィルター新品です。
外した車体側のホースに,新品のフィルターを取り付けます。
古いフィルターをバンドから外しポンプと繋いでいるホースも外します。
そこに新しいフィルターを組み付け,ステ−ごとボディーに固定します。
この時,フィルターから出ているホースの向きをボディーに当たらないように調整します。
これで交換作業は完了です。
取り外したフィルターをゆすって中身を出して見ました。
すると出るわ出るわ,砂やらなんやらザラザラの物体が大量でした。
結構詰まってたかもしれません。
BMWでもっと凄いフィルターを交換したことがあります。
12万キロぐらいで,中びっしり錆と砂とアメーバでした。

次に,フューエルシステムクリーニングを行います。
洗浄個所はフューエルライン,インジェクター,インテークバルブ,燃焼室内です。
使うのはバーダルスーパーチューンシステムのダイレクトルブリケーションというのを使います。
ガソリンの代わりに薬剤を直接供給することで強力に洗浄するもので、効果は抜群ですが、フューエルラインをバイパスしたり,装置を車両に接続するのが大変です。
760の場合エンジンルームでデリバリーとリターンをバイパスさせたり,インジェクターレールにシステムを装着する為のアタッチメントが適合しないため,車体下側のフューエルポンプに接続し,燃料供給はFPヒューズを抜いて止めることにしました。
超ダルな作業です。
黒いボトルに薬剤を入れ,供給圧力を2.5bar(アイドリング時の一般的な燃圧)位に調整してエンジンを始動します。
排気ガスの写真を撮ったのですがうまく写りませんでした。
最初の10分位は黒い煙が出ていましたが,だんだん消えて最後は無色の排気ガスになっていました。
ガスの匂いは,15〜20分間は目を刺すような毒ガスを発生していましたが,これも最後の方には消えていました。

次にCCC(カーボンチョーククリーナ)でエンジンをかけた状態でスロットルのバキュームホースを外し注入します。
一本無くなるまで続けます。
これは,スロットルボデーから燃焼室までの内部洗浄を行うためです。
作業終了後に燃料タンクに,オクタパワーという洗浄用燃料添加剤を入れます。
これで走っているうちにだいぶ洗浄される予定です。

クリーニング前の点火二次波形です。
スパークラインが安定しない,スパーク時間がばらばらに変化する等空燃費系の問題があることが確認できます。
スパークラインが波打つ波形は,インジェクター噴射状態の悪化を示す場合が多いです。
左側の図のように比較的まともな波形が出る時もありましたが,全体的に波形は安定しませんでした。
そしてもう一点これらの波形には大きな問題があります。
波形が一定しないにもかかわらず全てに共通して,スパークライン後半が落ち込んでいます。
これは,インテークバルブ系の故障又は汚損によるタイミング,シール不良がある場合に出ます。
ただ,この手の波形は走行距離の進んだ車では良く出ます。
オーバーラップの大きい高出力エンジンや,オイル管理が悪くブローバイが汚れている場合にはインテークバルブは汚れやすく,この波形は出やすいです。
国産ではスポーツ系エンジン全般と,外車ではBMW等はこの波形が出やすいです。
スーパーチューンでの洗浄後の波形です。
いまだスパークラインの振れが観測されることがありますが,スパークライン後半の段階的な落ち込みはほとんど無くなりました。
CCC洗浄後の波形です。
特に変化はありませんが,波形安定性は向上しました。
洗浄後の全ての波形について言える事は,スパーク時間が一定になったことと,スパークラインが安定したこと,後半の落ち込みがほとんど無くなったことです。
インジェクターの噴射量,噴射状態は安定したようですが,たまにバルブ系の波形が出るのでオクタパワー使用後の波形に期待することにします。