AT修理

モーモーさんが100万円とちょっとで仕入れた車です。
私はW210だけはやめておけと助言したのですが。。。
登録した日にATFがダダ漏れになりお亡くなりになられました。
漏れ箇所はトルコンとAT本体の間あたりです。
エンジンをかけるとぴゅーっとでます。

その日、車検の時に下回り点検の後ATが2速だか3速だかにホールドになって、
そのまま50キロくらい走って帰ってきたと言っていたので、
トルコンが異常発熱してシールがダメになったのでは?と予測し、シール交換することにしました。
ギヤ固定になった原因は、インヒビタスイッチの入力異常だそうで、DTCを消すまでギヤ固定が治りませんでした。
非常に腐った車です。

シール交換はATを降ろす必要があります。
クソ重いマフラーも外す必要があります。
非常にだるいので知り合いのプロに頼んでやってもらいました。
私はW210のオートマ降ろしたって全く楽しくありませんので。
ホンダ車を修理するより嫌です。

で、シールを新品にしましたが治りません。
エンジンをかけると、また、おなかから血をだしています。
本当に腐った車です。


よくよくオートマの仕組みを考えながら原因を考察します。

・シールを替えても治らない。
・エンジンをかけている時だけ漏れる。
・漏れていてもATFがある限り変速等に支障はない。

考えられる原因は、
・トルコンのシール当たり面に傷がある。
・オイルポンプから油圧がリークして、シール内側にポンプの排出油圧がかかっている。
漏れの勢い等から察するに、どうも後者が臭いです。

再度某プロにATを降ろしてもらって、今度はAT本体だけ私の工場に持ち込まれました。

前の方だけ分解です。
トルコンハウジングを外すと、一番前のクラッチASSYごと外れます。
内側から止まっているビスを外さないとオイルポンプが外せません。

トルコンがブルメタです。
AMGだからでしょうか??
リビルトの化粧のようにも見えます。

シールのアタリ部分に傷は無さそうです。
でも、メタルのアタリがおかしいです。
相手の銅系合金のメタルを食っています。
中で何か起きているようです。

今回ここから後ろには用はございません。
ここから後ろにプラネタリーギヤが2段か3段くらい入っていて、
その後ろにまたクラッチがあります。
その後ろはパーキングロック等です。
たぶん。ふつうはそうです。
後ろから見るとこんなです。
300psオーバーの車に使っているとは思えないほどコンパクトです。
Sクラスのミッションと共通だそうです。

ガバナが無いからおしりはとてもすっきりです。


ポンプのハウジングです。
ローターとの接触面に焼けたような後があります。
引きずられたような傷もあります。
何より奥のメタルが外れてます。
メタルが外れて隙間からポンプの排出圧がシールの内側にまともにかかっていたようです。
これはポンプ交換確定です。

メタルが外れたのが先か、それとも潤滑が悪くてかじった後に共回りして抜けたのか。
そのあとトルコン側の軸ぶれでポンプを壊したといった所でしょうか。
ポンプの不良です。

トルコンハウジング側です。
ポンプの背面を担っています。
ローター接触部分に傷があります。
ローターが斜めになって回っていたのでしょうか。
致命的なレベルかどうか判断はつきませんが、正常な状態ではなさそうです。
こちらも要交換でしょうか。

ポンプとトルコンハウジング、輸入しても20万近く行くようです。
で、S500の変速不良の中古ミッションが10万であったので仕入れました。

ポンプとトルコンハウジングを移植します。
ドナーのトルコンは健全です。
錆びていますが、オイル漏れがなかったという何よりの証拠です。
ポンプの内部状態の確認をしたいとも思ったのですが、
分解によるリスクと、トルコン側を見た時点での判断で
ドナーのオイルポンプは外しません。
トルコンハウジングと一緒のまま入れ替えます。




組み付けに際し多板クラッチの溝を一列にあわせます。
前後のドッキングは、ATを縦にして行いました。
多板クラッチの溝のズレをどうやって合わせて入れていくかが作業のポイントです。
これは言葉で説明することがとても難しいです。
微妙に左右に回しながら震えるように下げつつ軽く跳ねる感じです。



ツートンカラーのAT完成です。
トルコンハウジングの形状が、W210とW140で少し異なります。
W140用を流用するのであれば、ラックピニオンを採用するW210ではステアリングシャフトを除けるため左右に張り出したセルモーターのギヤカバーを切り落としておく必要があります。W210では、鉄板のカバーがついています。
部品に刻印されているパーツナンバーは一緒なのに形が違うという恐ろしい事態が起きています。
ATF漏れは完治しました。

動いてるうちに早く売り飛ばしてください。