ATワイヤー&モジュレーターバルブ調整
ATのシフトフィーリング改善の為,モジュレーターバルブとワイヤーの調整をしました。
現状は中負荷の広範囲で3―4速の変速時にドンという大きなショックがあるところが気になっています。
1レンジセレクト時の1―2は上々,2−3のショックはベンツならまあコンなもんかと気にならないレベルです。
ベンツのガバナ式4ATは一般的なスロットルワイヤーによるスロットル圧調整の他に,調整可能なインテークバキューム圧による圧力制御が行われています。
今回はまずバキュームモジュレーターバルブの調整から行います。
このバルブはAT左側面前方に取り付けられています。
これはすでにゴムキャップを外した状態です。
中には小さなT字型の金具が入っています。
この金具を外周のストッパーより高く引き出し(引きすぎると抜ける)1ノッチづつ回して試運転します。噂では1ノッチで結構変るとのことなので慎重に行います。
ちなみに締めると油圧が上がり,緩めると下がるそうです。
シフトショックが大きいのであれば油圧を下げ,滑りを生じるのであれば油圧を上げます。
今回は1ノッチ下げて様子を見ました。
図の90がモジュレータバルブ,100がT型の金具,95がゴムキャップです。
2―3速の変速ショックには特に変化はありませんでした。
よくよく乗ってみて気づいたのですが,シフトショックが大きいのはバキューム圧が大気圧(この頃の190はエコメーターという負圧計がメーター内にある)になるぎりぎりのスロットル開度で加速した時のようです。同じ大気圧でもスロットル開度が十分大きく高回転でシフトアップしていく時にはショックは出ません。逆に負圧状態の加速域でもショックはほとんどありません。
さらに,モジュレーターバルブを調整したのにも関わらず,変速点はまったくといって良いほど変化していません。
このことから考えると,ベンツのATは,変速点制御をワイヤーで行い,ライン圧はバキュームで決めているということではないでしょうか?
すると今回のシフトショックの原因はワイヤーが緩い為に変速点が所定より低くなり,それに見合わないライン圧がかかっていると考えられます。
ワイヤー調整です。
通常ワイヤーだけで制御されているATの場合,シフトショックを消すのであればワイヤーを緩めます。
しかし今回はあえて締める方向で調整してみます。
写真の下側のワイヤーがATに行っているワイヤです。
樹脂のエンドブラケットについている調整を緩めるとワイヤーが張っていきます。
約2mm程引っ張る方向に調整しました。
先端のワイヤーエンドを引っ張って見て遊びがほとんど無くなったあたりに調整します。
試運転の結果は大変良好です。
2−3の変化こそ無いものの,3―4は飛躍的に良くなりました。
あまりに上品すぎてちょっと不安になるぐらい良くなりました。
モジュレーターを下げたせいでしょうか?モジュレーターを戻してもフィーリングが良好であれば一段戻そうかと思います。必要以上に油圧を下げると,滑りが大きくなり摩擦板の寿命を短くするおそれがあります。
今回のことでベンツのATの調整がある程度わかりました。
・ワイヤーは変速点の制御のみを行っている。
・モジュレーターバルブはインマニ負圧によってクラッチ接続用の油圧を制御している。
・ワイヤーとバキュームのバランスがとれて初めて良好な変速が得られる。
・ワイヤーの調整は,アイドル状態で,ワイヤーエンドが遊ばない程度が良い。